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3/15(tue) DJ event のお知らせ。

先日のイタリア日記にも登場した、フィレンツェ在住のイタリア人、アンドレアのpartyのお知らせです。

アンドレアは、ミラノ・スカラ座の音響、作曲家、そしてDJもplayする音楽家。
3月に、日本で公演をするフィレンツェ歌劇団の一員として、来日します。
3月15日火曜日の夜 20:30~23:00まで、DJ Andrea baggioとDJ NOBUYAの2DJsで、イベントを開催します。
会場は渋谷駅から徒歩3分、アートでビートな空飛ぶ本屋さん、Flying Books
ここは、ワインやコーヒーを飲みながら、じっくり本を選べる大好きな古本屋さん。
本のセレクトも、美術、宗教、音楽、インドチベットや、山岳、サブカル、カウンターカルチャーと、本棚を眺めているだけでも、至福のひととき。
渋谷のディープな一角にあるビルの2Fに上がると、そこにはギンズバーグ、バロウズ、山尾三省の本がずらり。
まさしく渋谷のシティライツブックストア。(*サンフランシスコにある、有名な老舗本屋)
オーナーのYM-G(山路)くんを始め、店員さんたちも本当に造詣が深い。
ふらっと遊びにいくと、スタッフのまきちゃんがソムリエみたいにさりげなく私好みの本を出してくれる、にくい接客。

そんな素敵な本屋さんで、アンドレアとNOBUYAがお送りするチルラウンジパーティー。
音楽を聞きながら、ドリンクを飲みながら、おしゃべりしながら、本をセレクトしながら、
楽しんでいただければと思います。
平日にしては遅めのスタートですが、お仕事終えて、ご飯を食べてから遊びにきてもらえると、ちょうどいいかも。
ぜひお気軽にどうぞ。

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渋谷といえば、忘れられない思い出がある。

YM-Gはいつもいろんな面白い人を紹介してくれる。
ある日、「いま渋谷で面白いおじーちゃんと飲んでるからおいでよー」とYM-Gに誘われて行くと、そこには、真っ白な白髪とひげを蓄えた、サンタクロースみたいなおじいちゃんがいた。
ニコニコとみんなの話を黙って聞いていて、でも時折見せる鋭い視線がタダ者ではない感じがした。
終電も近づき、みんな散り散りに解散、ぽつんと残っているそのおじいちゃんに、
「明日は何か予定があるんですか?」
と訪ねると、
「明日?明日なんてどこにあるの?」
と答えられ、こりゃ一本とられた。と思ったと同時に、
そのおじいちゃんににすごく興味がわいた。
彼はナナオサカキ。
「部族」というコミューンを作った、フーテンの詩人だった。
「うち近いから、泊まりに来る?」
と聞くと、ナナオは黙って頷いた。

私のクルマで帰る途中、渋谷のスクランブル交差点にさしかかったとき、助手席にいたナナオは、

「--ここは数万年前には海の底だった。私の体にはその記憶がいまだに残っている...」

と、突然朗々と、即興でポエトリーリーディングをはじめた。
その瞬間、見慣れた渋谷の交差点が、一瞬にして海の底になった。
クルマが宇宙船になって、時空を超えた気がした。
そのときのナナオの言葉の力は、それぐらい強いものだった。

その晩、夜通しナナオはいろんな話をしてくれた。
長崎で勤務していた、アメリカ軍の暗号解読部署がいやで、さぼって景色を眺めていたら、原爆のきのこ雲があがった第二次世界大戦の話。
懐かしそうに目を細めて語る、砂澤ビッキさんや、ゲーリースナイダー、山尾三省さんとの旅話。
昔、日本中の森を歩き回っていたとき、オオカミをみた話。
今は宇宙の魔法を使って、ただ歩くだけの暮らしをしている話。
にわかには信じられないような話を、次々と言葉を紡いで語る様は、一つ一つがポエムのようで、いくら聞いていても飽きなかった。
native americanのテーブルランプに照らされたナナオの顔を見ながら、
ずーーっと昔、このどこぞの長老にストーリーテリングを語ってもらったことがあったのかもしれないな。とふと思った。
私は眠そうなナナオを寝かさずに、夢中で話をねだった。(ひどいね)

明くる日、明治神宮までいっしょに散歩をした。
ナナオの視線は、子供のように新鮮で、どんな小さいことにもちゃんと向き合う。
咲いている花に声をかけ、電信柱の落書きにすら感想を述べていた。
植物にも詳しいナナオは、これは食べられる、これはまずい。と、道端の草の名前をレクチャーをしてくれたり、
明治神宮の本宮の前にある大きな楠の葉っぱをかじってみなさいと勧めてくれて、2人でむしゃむしゃ食べたりした。
夕方になると、ナナオは、
「いま何時だと思う?」と聞いてきた。
「大体でいいから、言ってごらん」
「えーと、16時15分」
「時計をみてごらん」
「あ! 16時20分」
「ね。時間は体が知っている。時計なんて本当は必要ないんだよ」と微笑んで、
「さて、私はこのまま横浜の友人宅まで歩いていく」と、スタスタ歩いて消えてしまった。
えー東北沢から横浜まで徒歩で...。
彼はお金や携帯は持っていなかったと思う。
でも80過ぎのご老人とは思えない、すばらしい筋肉をした足が二本あった。
彼は、これで十分なのだ。
たくましいナナオの後ろ姿を見ながら、文字通り体一つでやってきたそのシンプルさに、今更ながらショックを受けた。
                         
それがナナオに会った、最初で最後の忘れられない思い出だ。
「ナナオ」と名前が書いてあるリュック一つで、いろんな友人たちに支えられながら、歩き続けた本物のバガボンド。
それからしばらくして、元々自由な魂を持っていたナナオは、肉体を離れてもっと自由になった。
ナナオは今頃、魂一つで宇宙を放浪しているんだろう。
いつかまたどこかですれ違えたらいいなと思う。
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by kumikotabata | 2011-03-01 02:05 | nico

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