nico

<   2013年 10月 ( 1 )   > この月の画像一覧




バンクーバー島漂流記 その2。

(*引き続き、写真なしのお届けですみません。リンクを貼ってありますので、興味のある方はぜひリンク先をチェックしてみてくださいね!)

a0121022_5353618.jpg


北端ポートハーディのキャンプ場では「日本人がこのキャンプ場きたの初めてだよ」と驚かれた。確かに、キャンベルリバーより奥は、日本人はひとりも見かけなかった。でもどんどんと増えていくファーストネイションの血を引き継ぐ人たちは、日本人を彷彿させるような人もいて、なんだか親近感がわいて、落ち着く。

ポートハーディーからポートマクニールへ戻り、そこからフェリーで40分、アラートベイに到着。フェリーから見ると、素朴な小さい島に極彩色のネイティブアートが至るところに刻み付けられている。胸の高まりをおさえつつ、鳥しかいないという全長4kmほどの小さな島にテントをはって、迎えのボートを待つ。アラートベイからさらにプライベートボートで40分。この夏の最終目的地、ハンソン島上陸まであと少し。wifi探して、ハンソン島に住んでいるAki君に連絡とって...と思ったら、アラートベイにはwifiスポットがまったくない。地元の若者に聞いてみたら、「wifiってなに?」と逆に聞かれる。そうか...しまった。私はすっかりネットもインフラの一つだと思っていたけど、そんなの都会の中だけの話だった。迎えにきてもらう日だけは決めてたけど、その他なんも決めてなかったなー、困ったなーと思って一番大きい港をうろうろしてたら、ちゃんと会えた。wifiも携帯もなくても、なんとなくでちゃんと会える。ここはそういうところで、みんなするどい勘というか、ある意味テレパシーみたいな伝達方法をもっているような気がする。
ラマは初ボート乗船でちょっと緊張してたけど、ハンソン島につく頃には、すっかりリラックスして風景を楽しんでいた。

*アラートベイwebサイト


ハンソン島は、アラートベイの隣、ジョンストン海峡の中のある無数の島のうちの一つ。
島はほぼ無人島で、Aki君とAki君のお父さんのウォレスが住むアースエンバシー(地球大使館)とコールスポング博士の研究場所として有名なオルカラボがあるだけ。ガイアシンフォニー第三番をみた当時は19歳で、渋谷の映画館でひとり号泣したことを鮮明に思い出した。まさか自分がここにくるとは思ってもみなかったなあ...と非常に感慨深かった。そもそもここにくるきっかけになったのは、Aki&Yuki兄弟と一緒にバンクーバーで遊んでいるときに私はパスポートをなくし、Aki君は落ち込んでいた私を警察までつれていってくれて、リポートの提出まで手伝ってくれた。さらに「まあいろいろ落ち着いたら、島に遊びにおいで」と誘ってくれたのだった。
人間万事塞翁が馬。禍福はあざなえる縄のごとし。
図々しくその言葉を真に受けて、こうしてハンソン島に遊びにいくことになった。

*オルカラボウェブサイト。日本人スタッフ 光屋智子さんによる日本語記事もあります。

夏の間、ジョンストン海峡はサーモンでいっぱいになる。それを追って、シャチやくじら、イルカなどがいっぱい来ることで有名だ。ワタリガラス、カケス、レッドウルフやブラックベア、私より大きいイーグル。ぽーっとした犬みたいなアザラシ。
食べ物が豊富にあるところの動物たちはみんな穏やかでフレンドリーだ。
野生動物の楽園。そんな言葉がぴったりのところ。
コマーシャルなものはいっさい見当たらない、見渡す限り、ありのままの地球の姿。
自分の住む星の姿をかいま見ると、あまりの美しさに驚きなのかショックなのか、いつも激しく心をゆさぶられる。

入り江にボートをとめ、山道を30分ほど登ると、ウォレスとAkiの住む、Earth Embassyがある。
ウォレスは、ロードオブザリングにでてくるガンダルフそっくりの容貌で、ホビット村のような、手作りの可愛い庵に住んでいる。


ガンダルフ。まじにてる。
a0121022_5382878.jpg


現在は好々爺といった風貌のウォレスだけれど、地質学者、マヤ文明研究家でもあり、世界的に有名なNGO green-peaceの立ち上げメンバーで、非核運動カウンターカルチャーの最前線を引っ張り続けてきた、男の中の男である。グリーンピースって、1970年代、水爆実験やるって話きいたら、爆心予定地に自分たちのヨットだしてそんな環境破壊な実験だめーやめやめーって体張って実際に止めてきた人たち。...やばい惚れちゃいそう...。
そんな武勇伝をもつレインボーウォリアーズ。
ウォレスは農作業中のかたわら、カケスの鳴声を聞いては、
「これはレイブン(ワタリガラス)をからかってるね」とか「イーグルをよんでるなあ。なにか用事があるのかな」とか鳥の世界の言葉がわかるみたいだった。たまに畑で立ち止まっているから、どうしたの?ってきいたら、レイブンとmindでテレパシーしてたんだ、と笑っていたこともあった。ラマもずいぶんウォレスと話し込んでたようだった。ラマは、本能的に一目でウォレスがサイキックな人だとわかり、最初は珍しく警戒していたけれど、日が立つにつれて、ウォレスのそばから離れなくなった。ここまで動物や植物、鉱物に愛情と誠意をもって接する人は初めてで、ウォレスの一つ一つの行動が、とても感動的だった。

ここウォレスが30年ちかくかけて作った「Earth Embassy」は、いったいどうやって運んだんだろう?と思うような薪ストーブや、洗濯機以外は、全て周囲の森からいただいて作っているという。釘を一切使わずに、小枝を組みあわせたディアフェンスや、山頂の地形を利用して、日照時間と収穫時期まで計算しつくされた畑。
広い庭のいたるところに手堀りの水路がはりめぐらされている。こつこつとツルハシで掘り進め、でてきた石を大きさ順にわけて、石をぴたっと組み合わせ、水路を手作りしている。フェンスにしても、水路にしても、なんという気の遠くなる作業...私が滞在中もウォレスは手があくと、地面に穴をほり、なんとクリアな湧き水を掘り当てていた。ウォレスはやることがすごすぎて、もうね...。

ウォレスの本棚も宝の山だった。ホールアースカタログから、shelter(古いのから最新版まで)、キッチンDIYデザイン本、小屋の建築本。シャーマニズム、mashroom、Wild cooking レシピ本、native cooking、ハーブの本。それにエコアクティブやら、森林伐採、野生動物、オオカミの写真集まで揃った、素晴らしい本棚で夢中で本をむさぼった。
背表紙をみただけで、なにこれ!全部読みたい!って思う本だらけ。


ホールアースカタログ。ジョブズがMacをつくるときのヒントになったことで有名な本。
"stay hungry, stay foolish" はこの雑誌から引用した言葉

a0121022_539035.jpg



ウォレス植物園といった感じのガーデンには、1300本のガーリックが植えてあって、私たちが遊びにいったときは、ちょうど収穫時期だった。上から三本目の葉が黄色くなってたら、収穫しどき。すぽっと抜くときには、畑に生えているedible weedの新芽を抜かないように注意して。ここの土は一度もケミカルが入ったことのない本物のオーガニックの土だから、素手でさわっていても手がツルツルになる。超気持ちよいベルベットのような土。抜いたガーリックは葉っぱを落として、きれいに水洗いしたら、干せるように3本一束にして、9~12玉ほど三つ編みで編み込んでいく。Akiは器用だから、きれいに編み込んで、その辺に生えてるお花なんかも一緒に編みこんで、出来上がる頃にはドライフラワーガーリックだよ、とかおしゃれなこと言ってる。
私は最初全然編み込みができなくて、何度もやってるうちにガーリックの薄皮が全部剥けてしまったりした。
剥けてしまったガーリックは晩の食卓にのぼる。
だから毎晩たっぷりのガーリックメニュー。
スキレットでエレファントガーリックとポテトをコンフィ風にして、岩塩とハーブかけただけとか、サーモンとマヨにガーリックすり下ろし&ハーブ入れてパテ風にしてみたり。
収穫したばかりの松茸ガーリックソテー(ウォレスはキノコ博士)など。
私のお気に入りメニューは午前中の農作業を一段落させて、お昼に食べる札幌一番塩ラーメン。(アラートベイのスーパーに売ってた)ベーコンを2枚切ってダシにしたお湯に、麺とスープ入れて、卵落として、とってきたばかりのガーリックすり下ろしとチャイブみじんぎりをたっぷり。日本だと食べる気もあまりおきないけど、こういうところで食べると涙がでるほど美味しい。安藤百福はやはり偉大。
一日何個もとれたてのオーガニックガーリックを食べてたおかげで、連日体調はすこぶる良かった。


ヘルシーだなんだなんて贅沢いってても、結局これが美味しかったりするんだよねえ。
心底日本人だなあ。私。

a0121022_5394029.jpg



午前中の農作業を終えると、今度はゲストをお迎えする。
このジョンストン海峡は、世界中の水生動物好きにとっては聖地でもある。
夏の間、オルカたちに会いに、ウォレスに会いに、Dr. スポングにあいに、世界中からいろんな人がやってくる。
ゲストがきたときは、ウォレスがこの島の歴史をレクチャーしてくれる。
太古からこの島に住んでいたファーストネイションのナムギス族は、次世代にも木を残すため、木を切らずにうまく皮や木の一部をくり抜いて、木を生かしつつ、一部いただく、という黄金比を用いた特別なカット方法を編み出していた。そういったcultural modified treeが至る所にいっぱいあり、ウォレスはそれを発見し、その木の見分け方などをネイティブの人たちに伝え、いまではこの辺一帯のmodified treeを守るサイレントムーブメントになっているそうだ。地質学者でもあるウォレスは放射線についてもとても詳しく、ガイガーカウンターにさらすとびーびーと音がなるほど放射線量の高い石を教材に、いろいろな話をしてくれた。福島原発事故以来、放射線を計り続けてきたウォレスは、今年初めて、この辺の海藻(青のり、昆布など)の放射線量が5倍になった。でもまだエディブルだから大丈夫だよ、来年はわからないなあ、と優しく教えてくれたりした。

ゲストがこない日は、オルカラボでシェフをしているChrisが息抜きにお手製の絶品ベリースコーンとチャイを持って遊びにくる。AkiとChrisと私とラマとで、サンダンスというオルカウォッチポイントまでジュラシックパークごっこしながら歩いたり、樹齢1000年以上の薄暗い原生林の中を、わずかに光っているきのこをハンティングして遊んだり、サーモン釣りにいったりして、子供のように夏をめいっぱい楽しんだ。
初めてのサーモン釣りは快晴の日だった。ふとボートの脇に目をやると、私よりゆうに大きい白頭ワシがひなたぼっこしてchillしてる。ざとうくじらの、ぶおーーぶおーーという呼吸音があちこちで聞こえる。時折大きな体を見せて、尾っぽをたてて、すっともぐってゆく。それがまたドラマチックで何度見ても感動的なシーンだ。不思議そうな顔でデッキ上のラマをみつめるアザラシ。イルカも群れで遊んでる。全てが完璧で、ピースフルで、周りから目が離せない。
海は、こんな素晴らしい景色を見せてくれたうえに、わたしたちに大きなサーモンとロックフィッシュとタンジネスクラブ3匹も授けてくれた。本当に心からありがたいと思い、その晩は火を焚いて、欠片もなくなるまで食べ尽した。骨やしっぽや甲羅はレイブンとラマがきれいに片付けてくれた。当たり前のことなんだけど、すぐそばにいる熊やオオカミや、シャチやくじらたちと、私たちはまったく同じもの授かって食べてるんだなあと思ったら、なんだか野生動物たちがシェアメイトのように身近に感じられた。

*ザトウクジラwiki


PC(オルカを観測するためのポイント)にカヌーだけで二ヶ月滞在しているMarkとは、釣りをしてるときに海の上で会った。海の上で会えると、お互いの船をくっつけて、partyが始まる。この船の時間がまた楽しい。サーモン料理なんかがでてきちゃって、アイランドビールなんかもでてきたりして、みんな笑顔。
そうそう。ここジョンストン海峡で出会う男たちは、驚くぐらい超イケメン王子さまたちだった。
またーtabaちゃん、すーぐ盛るんだからーとお思いでしょうが、これホントだから!

ヨット2台持ってて、このへんの海でよく釣りをしているJasonは、オーランドブルームにリバーフェニックスをスパイスしたような感じのeco activeなイケメンだし。

言わずと知れたオーランドにリバーくん。
a0121022_5404661.jpg

a0121022_541269.jpg


オルカスタッフMarkはジェームズフランコ似のタフガイ。無人島でほぼ一人、乗り物はカヤックのみ。三ヶ月間、毎日オルカの観察研究の日々。忍耐力、サバイバル能力ともにばつぐんで優しい動物好き。

Markなら127時間でも耐えられそうだなあ。
a0121022_5413613.jpg


近所の島に住んでるJeffとMattはジェイクギレンホールとジョゼフゴードンレヴィットのようなラブリー兄弟。

ジェイク&ジョゼフ。こんな可愛い兄弟が雨の中お腹すかして遊びにくる...まじ萌え。
a0121022_5423139.jpg

a0121022_5431254.jpg


Akiだって、日本ではモデルをやってたこともあるくらいきれいな顔立ちしてる。今はインド風のたっぷりとした海賊風のひげをはやしているから、船を運転してると、たまにジャックスパロウに見える。かもw
そしてなんといったって、世界中のホットなnewsから、そのへんの石のことまで何でもよく知ってて動物と会話できて自給自足の生活をしている魔法使いウォレスさま♡

とにかく、そんなレッドデータな素敵メンがうようよいてですね、ウクレレ片手にヨットなんかを軽々と操縦したりして、むきむき半裸でカヌーにのったりして、なんなのーここ。まぶしい、まぶしすぎる。彼らはさっとヨットのキャビンで料理してくれて、時にはサーモンのさばき方を教えてくれたり、海の楽しさをジェントルに教えてくれて、安全に遊ばせてくれるのである。
そんなひと夏のノーザンアイランドデイズ。
やっぱり野性的なものってとても美しくて、神秘的な魅力があって、いいものだと心底思いました。
まる。

8月のブルームーン。一年でもっとも大きな満月を島でみてから、次の日の朝、島をでた。
ちょうどnew moonからFull moonまでの2週間をハンソン島で過ごしたことになる。
Akiにアラートベイまでボートで送ってもらった。アラートベイのトーテムポール群が見え始めたら、なんだかかなり寂しい気分になった。
「終わっちゃったよ...私の夏 in ハンソン島」
ってしょんぼりしてたら、Akiが
「全てのことには終わりがあるんだよ。来年は友だち連れて一緒においで」
って、何気に素敵で、深いこという。
そうかーそうだね。どんなに楽しくても、どんなに永遠に続けばいいのにって思っていても、終わるときは終わるんだ。そしてまた新しく始まる。そんなふうに季節ごとに思い出を作りながら、何度も繰り返していくんだよね。

どこまでも暖かく出迎えてくれたウォレスと、なにかと不便な島で、先回りしていろいろセッティングしてくれたAki、そして一緒に遊んでくれた友達や動植物たち、いろいろなものを見せてくれた海、地球にこころから感謝をこめて。一生の思い出に残るような、素敵な一夏を本当にありがとう。と心から感謝です。


バンクーバーアイランドに着くと、森はもう色づき始めていて、秋の風の匂い。
いまはスコーミッシュという町に滞在中です。ここでしばらく英語のお勉強。
スコーミッシュはファーストネイション(先住民)のスコーミッシュ族の町。
スコーミッシュの言葉で、「the wind of mother」「people of sacred water」という意味らしい。
現在では、「アウトドアレクリエーションの(カナダの)首都」というあだ名がついているくらい、ボルダリング、MTB、カヤック、ウインドサーフィン、トレイルハイキングが盛ん。
スタワマスチーフという、高さ600mくらいの一枚岩がどーんとそびえたっていて、その横に那智の滝のような、Shanon fallという豪快な滝が流れているのです。

そんなスコーミッシュのお話はまた次回。
[PR]



by kumikotabata | 2013-10-01 06:14 | Canada

nico's words
by kumikotabata
プロフィールを見る
画像一覧

カテゴリ

voice yoga
nico
news in takao
a monologue
Canada
Uenohara
HOKKAIDO, TBT

最新の記事

こばたばファームのご案内。
at 2015-12-12 01:32
nico移転のお知らせ
at 2015-12-01 07:50
I still rememb..
at 2015-09-09 13:41
NO TRIP NO LIFE.
at 2015-06-24 23:53
オオカミのこどもと歌うくじら。
at 2014-05-22 01:10

画像一覧