nico

オオカミのこどもと歌うくじら。

無事36歳になりました。もう春ですね。
初めてのカナダの冬は、ありがたいことに例年に比べ、暖冬でした。
それでも多少は寒かったー。
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雪の中チルアウトなふたり。

キャロライン(大家さん)の愛犬ローラとは、毎日一緒に散歩へいった。
ローラはゴールデンのくせに、かなりアグレッシブ。
ラマもけっこう生意気な犬なので、同居3ヶ月目にして、大げんか。
でも勝敗がついたあとは、すっかり姉妹のように仲良しだった。

ラマもすっかりSquamishに慣れてきた頃、
ご近所のイケメンリオくん(マラミュート×ハスキーmix)と衝撃的な出会いを果たしました。
散歩してたら、突然一匹で現れて、「僕もいいかな?」ってジョインしてきたのが衝撃的。
オーナーのDaveも「リオはフレンドリーだから、一緒に散歩つれてっていいよー」っていうもんだから、それから三ヶ月間、ほぼ毎日ラマとリオは散歩デートしていた。

3月の終わりの頃、ラマの生理も終わって3日ほど経った頃。
不意な交配を避けるために、他に犬がいない時間を見計らってラマと散歩していると、突然リオが現れた。ラマの生理のため、2週間ほどリオのことも避けていたので、ふたりがあったときの興奮はものすごかった。いつものリオとは全然違う。ラマも私のコマンドを一切無視する。
ラマとリオは私が止める間もなく、ふたりでじゃれあいながら、どこかにいってしまった。
あわてて、いつもデートしてる広場にいくと、興奮しきったリオとラマがダンスをするようにじゃれていた。そして、ふたりがつながった瞬間、小雨が降り始めた。
春の小雨の中、じーっとつながっているふたり。
交配ってこんな神々しいんだ...と感動していると、Daveがあわててやってきた。
「ごめんごめん」と謝りながら、ふたりをはがそうと、リオを引っ張る。
犬のペニスはとげ状になっていて、射精が終わるまで抜けないようになっている。
ギャインギャイン!! と泣き叫ぶラマ。
私が「30分くらい抜けないようになってるの。私とラマは大丈夫だから、このままでいさせてあげて」
とDaveに説明した。
20分ほどふたりを見守っていると、小雨がやんで、雲の切れ間から光がさーっとさしてきたとき、自然とふたりは離れた。とても神秘的な力を感じた私は、「これは絶対できたな」と確信した。

カナダは愛犬家が本当に多い。犬のためを思ったら、避妊するのは当然、と考えるので、
puppyを産ませる人はあんまりいない。素人の無知な交配は、子犬を不幸にするだけだ。
犬が欲しくなったら、シェルターから犬を引き取るのが普通だし、どうしても欲しい犬種があれば、きちんとしたブリーダーさんを探す。個人で産ませるオーナーは「backyard breeder」と呼ばれ、あまり好まれない。素人が繁殖するのは、非常識なことなのだ。
現実的に考えればそれも当然だと思うけれど、こうなった以上は、できてたら産ませるという選択肢しかない。

帰ってすぐキャロラインに、交配のことと、家をでていくことを告げた。
キャロラインはpuppyを育てるのが、どんなに大変か知っているので、まだ受精していないいまのうちに去勢することをすすめる、といっていた。キャロラインは看護婦さんなので、こういうとき非常に冷静に判断を下す。

私は「妊娠中の犬とpuppyがOKな家を探して、産ませようと思っている」と告げて、荷物をまとめはじめた。
ネットのクラシファイドを片っ端からチェックして、Sea to Skyエリアの、Squamish、Whistler、pemberton近辺でいい物件はないかと家賃予算を倍にして探した。これからpuppyが産まれることを告げると、やはりみんな「No」「sorry」 「Good luck」というばかりだった。
オフグリッド(電気や水道がない)の物件をみにいったり、白髪になるほど悩んで、いろんな可能性を探った。
Yukonエリアにいけば、犬ぞり用のブリーダーもたくさんいるし、可能性はないだろうか。
100kgの野生の狼がいるような、Northern territoryエリアまでいって探してみようか。
非現実的にみえる展開だけれども、そういう風に考えるしか方法はなかった。

ある日、ラマのおじいちゃんのウルフィーがバンクーバーアイランドのフローレス島出身だったことを思い出した。詳しくはこの本に書かれている。
私の大好きな本だ。ラマとカナダに旅にでたきっかけとなった本でもある。
その本に、書いてあった言葉。
「この旅から、ひとつ確信していることがあるんです。それはすべてに偶然はないってこと。だから、あなたと私が出会ったことも必然なんですね、きっと」

ラマのパピーができたことも、決して偶然ではないはずだ。
どんないのちだって、授かったからには必ず意味がある。
そんな言葉に励まされていると、バンクーバーアイランドのクラシファイドで、一件、募集をみつけた。
「わたしたちは地ビールをつくっています。不便なところですが、庭から見える海にはクジラが住んでいます。アーティストの方、マザーネイチャーが好きな方。一部屋400ドル」

すぐにメールでコンタクトをとると、「パピーが産まれる?じゃここで産めば?」と言ってくれた。
ありがたくて涙がぽろぽろでた。
そのうえ、「ビール造りを手伝ってくれるなら、時給15ドル出すけど」っていうから、
あまりの魅力的な話にクラクラしながら、
「ただのツーリストだから、お金稼げないんだよね」と話すと、
「じゃ、doggyとpuppyとぼーっと釣りでもしてリラックスしてなさい」とまで言ってくれた。

いま、最後の大きな町キャンベルリバーでこの先の準備をしている。
ここから200km先、最北端のポートハーディを過ぎると、そこからオフロードを75kmほど走る。
ラマとふたりだし、通り過ぎるクマに、気をつけてゆっくり走らないといけない。
途中でパンクしようものならそこでアウトだ。
そうしてやっとこさCape Scottに着けるのだ。
ひょんなことから始まった、ラマとパピーとのアドベンチャー。
きっとこのパピーたちはラマのように、導いてくれる存在になると確信している。

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# by kumikotabata | 2014-05-22 01:10 | Canada

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